我が家が文鳥を飼い始めたきっかけは、先日亡くなったピコだったんです。
8年前の春のことです。
本当はオカメインコが欲しくてショップに通ってて、ヒナで入荷してたとても人懐っこかったオカメが販売OKになる頃を見計らって、当時小学2年生の息子を連れて行ったら、子供嫌いだったようで息子を見てトサカ立てて怒ってたんですよね…
で、子供嫌いの子じゃうちの子にするのかわいそうかな…と諦めていたのですが、息子が「この子かわいい、飼いたい。」と指名したのが、灰色の小さな文鳥。
「やさしく噛んでくれる」とのことで、子供嫌いでもなさそう。
実はオカメもこの日にお迎えするつもりはなくて、散歩ついでにのぞきに来ただけだったのですが…うーん。
自宅にいる夫に事情を説明して、車で迎えに来てもらえるか聞いてみたところOKが出たので、きっとこれはご縁だ!と思い込むことにしてお迎えを決めました。
この日はじめて「シルバー文鳥」という品種があることを知りましたが、白文鳥じゃないの?とか、あまりにも小さいので実は十姉妹だったりしない?とか、いろいろよくわからないことを考えていましたね…今となっては笑い話ですが。
※ちなみに十姉妹と文鳥はサイズ以外に尻尾の形状も違ったりします
まあ、そのぐらい文鳥という生き物をよく知らなかった、未熟な飼い主でした。
よくわからないので、とりあえず健康診断受けてみようかと、近くの動物病院に連れて行ってみたら、獣医さんの第一声が「ちっちゃ…」というぐらいには小さくて、体重も19gしかありませんでした。
即座にそのう検査、そのう炎を起こしていることが判明。
(なんかいっぱいいました…)
一応、お店では一人餌の扱いになっていたし我が家でもそうしていたのですが、やはり小さすぎるので…とのことで、そのう炎の投薬と同時に、ごはんにパウダーフードを混ぜることになりました。
[rakuten:torippie:10001257:detail]
その時のパウダーフードが↑これだったですが、最近だとラウディブッシュ率ほぼ100%なんですよね。理由はわかりませんが。
ちなみにペレットはハリソンを出されますが、他社ペレットを否定するわけでもなくシードでも栄養状態悪くなければ特にペレットごり押しされることもないですね。
(そういう点でも信頼しています)
投薬・栄養状態改善を試みはじめてみたら、数日後には甘噛みでなくみっちみち噛んでくるようになりまして、どうやら初対面の時の「やさしく噛んでくれる」は調子悪かったせいだったことが判明しました(笑)。
このあとヒナ換羽あたりまでずっとわたしの首の後ろをみちみち噛みにくるようになり、当分首周りにタオルを装備することになりました。(ヒナあるある)
ピコを迎えて数か月後には女の子確定したので、お婿さんを迎えたい!となり、ゴマをお迎え…後からゴマの妹(推定)のハナも加わり、3羽で手水浴びを覚え、水道代が跳ね上がって水道局の人が調査に来る一幕もありました。
(なにやってんでしょうね…)
そうこうしているうちに、ゴマがハナに乗るようになってしまいました。
ただ、ゴマは何故かサーフボードのように横乗りするので交尾には至らないのです。
(それ故、ピコの婿にもなれなかったのですが)
とはいえハナもその気にはなっているので、別のお婿さんを迎えることになり、子育て経験者のポーが我が家にやってきました。
そのポーが選んだのはピコのほうだったのです。
ピコは小さな体格に見合わない大きな卵を産み、2度目までは1回の産卵で1羽ずつ孵していました。
それぞれ吉乃、ナノと名付けた姉妹は、体色も体格もよく似たパステルシルバーになりました。
ハナの婿はその後迎えたスミ、一緒に迎えたテリは吉乃と暮らし始めました。
ピコ・ポーペア3度目の繁殖はハナ・スミペアの初繁殖と同時期で、なまじ1個ずつしか孵らなかった前2回のことがあるものだから手を出さずにいたら、ピコ・ポーが3つ、ハナ・スミが5つ産んだ卵が見事に全部孵化し、立派なギャング団になりました。
この時生まれた子達全員シルバーだったんで、てっきりシルバー×シルバーだとシルバーしか生まれないものだと勘違いしちゃったんですよね。
この回以降にはシルバー同士のペアでもイノだったりノーマルだったりいろいろ生まれてるので、当たり前じゃなかったことは後になって知ったんですが。
この頃以後、ピコは「おかん」キャラクターが定着し、他のペアが子育てしてるところに乗り込んで餌を与えようとしたり、休職して寝込んでる夫の口にシードをねじ込んでみたり、夫の部屋のあちこちにカナリーシードと麻の実(一時期麻の実入りのシードMIXを常用していた)を隠していたり…何しろ世話好きだったんでしょうね。
わたしには甘えるばかりで、そういう態度を見せないのですが…
お互いにパートナーと住むようになっても隣同士のカゴに住んでいたハナとは、金網越しに顔を見合わせていたり(他の子だと怒るのに)放鳥中も割と距離近くて、はては一緒にへたくそなダンスを踊って「けっこんしましょう!」「しましょう!!」と2人(2羽)でプルプルしてたりもして、ずっと仲良しでしたね。
他にも女の子同士で距離の近い子達はいないこともないですが、ピコとハナほど仲の良い子達は他にいませんでした。かわいかった…。
ポーが病に倒れ、療養している間、結構待っていてくれてたんですが、症状がある程度落ち付いて(飛べないものの)放鳥タイムには参加するようになった頃、ピコはしきりにポーを誘いに来ては一緒に飛んでくれないのを不満に思っていたようでした。
そのうち独り身でいたモク(ハナ・スミの息子)と意気投合して、ポーの定位置の前のおやつ置き場に連れ立ってくるようになり、それでも受け入れていたポーがそのうち拒絶するようになると、すごく心外そうでした。
ピコにしてみれば、ポーを見捨てたつもりはなく、一緒に飛び回ってくれるモクは「おせわしている」つもりだったのかもしれません。
ポー亡き後はモクと一緒に暮らすようになり、ますます「おかん」にまい進するピコでしたが、7歳を過ぎた頃甲状腺機能低下症を患い、投薬のため別居を余儀なくされます。
仲の良いペアでも、別居させると元気なほうが浮気してしまう前例があり(当人ですし)回復後のことが心配だったので、様子を見て1日1~2時間ぐらいは一緒に過ごさせるようにしたところ、むしろ別居前より仲良くなったように見えました。
甲状腺機能低下症は投薬期間が長期に及び、別居が常態化してきた感がありましたが、羽毛もすっかり生えそろいピカピカの状態で8歳の誕生日を迎えました。
もう甲状腺のお薬終わりにしても良いんじゃないのかな…等と思っていたら、特に何のきっかけもなく体力が落ちてきて、放鳥中にも眠っている姿を見るようになり、体重が落ち始め……あれよという間に危篤状態に。
おりしも息子の高校進学、新型コロナウイルスの騒動と重なって十分な介護が出来たか自信はありませんが、あの時点で出来る最善を尽くしたとは思っています。
ただひとつ心残りなのは、最後の瞬間に立ち会えなかったこと。
もう一晩、もう一度一緒に朝を迎えられると思っていました。
朝起きて、療養中のキャリーを見ると、くちばしの先を横網に乗せて「まだかな」と待っているような姿で、ピコは旅立っていました。
前夜、眠る前に「明日も朝一番に来るからね、待っててね」と声をかけたので、待っていてくれたのかなと思います。間に合わなくて、ごめんなさい。
我が家に幸せを運んできてくれてありがとう。
モクちゃんのことはかあさんが大事にするから心配いらないよ。
どうか、安らかに。